診療について
こころの病気にはさまざまなものがありますが、職場のメンタルヘルスにおいてよくみられる病気の説明をさせていただきます。
それぞれの病気の原因、症状、治療などを理解し、予防や療養に役立ててもらえばと思います。
それぞれの病気の原因、症状、治療などを理解し、予防や療養に役立ててもらえばと思います。
職場のメンタルヘルス Mental Health At Working
通勤のストレス、職場の人間関係、昇格による重責などの職場のストレスにより、うつ病になる方が増えています。人により、症状の現れ方は違いますが、一般的な職場のストレスによるうつ病の進行をご紹介します。
1. 仕事を楽しくできなくなり、やりがいを感じられなくなる時期。
仕事が苦痛に感じることが増えてきて、仕方なく、義務感でのみ職場へ行くようになります。
2. 朝、出勤前に憂うつになり始める時期。
朝は憂うつですが、職場に着いてしまえばなんとか仕事はできています。とくに月曜日の朝に憂うつになります。人によっては日曜日の夕方から憂うつになります。寝つきが悪くなったり、朝早く起きたりするようになります。
3. 遅刻や欠勤が少しずつ見られる時期。
かなり出勤するのが苦痛になります。仕事に集中できず、ミスも増えてきます。休日には何もする気にならなくて、ただ寝て過ごすこともあります。食欲も低下してきます。睡眠もさらに取れなくなり、不快な夢をみたり、寝ている途中で起きたりすることも多くなります。
4. 数日間連続で会社を休むことになる時期。
自己を否定する気持ちが強くなり、自分の存在意義を感じられなくなります。前日の夜に明日こそは出勤しようと思うのですが、翌朝になると行く気がしなくなります。自分を責め続け、上司に今日も出社できないことを告げるとほっとします。平日は出勤するか、しないかの葛藤を繰り返します。休日にはその葛藤から少し開放されます。会社を休んでいるのですが、心は休まりません。新聞を読んだり、テレビを見たりする意欲さえなくなってきます。

<職場のうつ病では環境の調整が非常に大事です>
当院では十分に休養し、うつが回復してきた時点で、ご本人と今後の方針を一緒に考えさせていただいています。
(現職に復帰するのか、職場を異動させてもらうのがよいのか、転職するのがよいのかなど)
また、復帰時には半日だけの出勤や、週に3日からの勤務など、会社に配慮してもらうように交渉していくことも重要です。ご本人が希望されれば、ご家族、会社の人事担当者、産業医との三者面談もさせていただいております。

うつ病 Depressior
急激な社会の変化により、うつ病になる人が増えています。最近はとくに30代、40代の働き盛りの方のうつ病が増えてきています。
症状
うつ病とは以下に示すような症状が2週間以上続く場合、診断されるものです。
- ・抑うつな気分(気持の落ち込み)
- ・興味が湧かないまたは喜びを感じられない
- ・食欲や体重の減少(または増加)
- ・不眠(または過剰な睡眠)
- ・物事を考えられなくなる
- ・焦る気持ちが強くなる
- ・疲れやすい
- ・やる気が起こらない
- ・自分を責める
- ・自分に自信がない
- ・集中力が低下する
- ・死にたいと思うことがある
治療
休養
ゆっくり休める環境を作り、睡眠時間を確保しましょう。必要に応じて、環境の調整(残業の制限、休職、職場の異動など)をしてもいましょう。
薬物療法
抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬を組み合わせて投与します。
精神療法
不安に思うこと、思い悩んでいることを利害関係のない専門家(心療内科医師)に話すことで、心が楽になります。

睡眠障害 Sleep Disorders
睡眠の障害には、睡眠が不足する不眠症、睡眠時間が長すぎる過眠症、睡眠のリズムの狂い、睡眠中の行動の異常などがありますが、ここでは不眠症について説明します。
原因
■ 体の病気
かぜ、頭痛、胃腸の障害、腰痛、気管支炎など体の病気のため、痛み、かゆみ、発熱、呼吸困難がみられ、不眠となります。
■ うつ病など心の病による不眠
睡眠障害の多くは、職場の人間関係、育児、介護の悩みなどの精神的ストレスによる不眠です。
■ 環境
寝る場所の明るさ、温度、湿度、騒音、振動、通気、ベッドやふとんなどの状態が適していない場合と不眠になります。
かぜ、頭痛、胃腸の障害、腰痛、気管支炎など体の病気のため、痛み、かゆみ、発熱、呼吸困難がみられ、不眠となります。
■ うつ病など心の病による不眠
睡眠障害の多くは、職場の人間関係、育児、介護の悩みなどの精神的ストレスによる不眠です。
■ 環境
寝る場所の明るさ、温度、湿度、騒音、振動、通気、ベッドやふとんなどの状態が適していない場合と不眠になります。
■夜間の勤務や海外への出張など
睡眠のリズムが崩れ、不眠となります。また、授乳や介護のため夜中に何度も起こされることで、寝られなくなります。
■ 加齢
なかなか眠れなくなります。とくに朝早く起きてしまうことが多いようです。
睡眠のリズムが崩れ、不眠となります。また、授乳や介護のため夜中に何度も起こされることで、寝られなくなります。
■ 加齢
なかなか眠れなくなります。とくに朝早く起きてしまうことが多いようです。
症状
| 入眠障害 | 寝付きが悪い | 寝る前に考え事をしてしまうと寝付けなくなります。 |
| 中途覚醒 | 睡眠の途中で起きる | 怖い夢を見て目が覚めることもあります。 |
| 熟眠障害 | 深い眠りができない | 眠りが浅いと夢をよく見ます。 |
| 早朝覚醒 | 朝早く目が覚める | お年寄りに多いようです。 |
治療
精神療法
いつから不眠になったのか?きっかけは?精神的なストレスの有無を聞いていきます。悩みを打ち明けることでも不安が軽減し、不眠の解消にもつながります。
薬物療法
睡眠の状態により、睡眠薬や安定剤を処方します。

パニック障害 Panic Disorder
通勤の電車の中などで、突然に心臓がどきどきする。息が苦しくなる。手や足がしびれた感覚がある。強い不安感がある、といった症状に悩まされたことはありませんか?パニック発作が起きると次にまた発作が起こるのではという不安(予期不安)が生じ、発作が起きたら逃げられない状況や場所を回避するようになります(回避行動)。
症状
パニック発作
強い不安感とともに以下のような症状がみられます。動悸(心臓がどきどきするのを感じる)、息苦しさ、窒息感、ふるえ、しびれ(主に手や足)、発汗、熱感または冷感、めまい、恐怖感など)。
予期不安
また発作が起きてしまうのではないかという不安に捉われてしまうことが多くなります。
回避行動
発作が起きてしまった場所や状況、発作が起きたら「逃げられない」「助けてもらえない」などのおそれのある場所や状況を避けるようになります。信頼できる同伴者がいると不安が軽減します。
患者さんが避ける主な場所
| 乗り物 | 電車(とくに地下鉄、急行、混んでいる車両など)、バス、飛行機、自家用車でもトンネル、高架、高速、渋滞。 |
| 閉鎖された空間 | 狭い、窓のない部屋、エレベーター、CT、MRIなど |
| 人ごみや束縛された状況 | 会議や行列、美容室、歯科、映画館など |
| 不慣れな場所 | 行ったことのない場所、乗ったことのない路線の電車など |
治療
パニック障害をきちんと理解し、お薬(抗不安薬、抗うつ薬)を服用することで必ずよくなります。

過敏性腸症候群 IBS:Irritable Bowel Syndrome
内科的な検査をしてもとくに異常は見つからないのに、腹痛、下痢や便秘を頻回に繰り返していませんか?ストレスによる過敏性腸症候群が考えられます。
症状
過敏性症候群の症状は、腹痛、下痢、便秘、ガスが溜まるなどですが、起こりやすい状況は以下のようです。
| 朝、出勤前の自宅 | 通勤の電車 | 職場 |
とくに通勤時、電車の中で起こりやすく、何度もトイレに行きたくなります。
次の停車駅までの時間が長くなるので、急行電車に乗りたくなくなります。長距離でも、わざわざ各駅停車に乗るようになります。各駅のトイレの位置を確かめておかないと気がすまない人までいます。
予防
- ・ストレスを軽減するように心がけてください。
- ・食事飲み物はなるべく温かいものを摂るようにしてください。また、生野菜は避けて温野菜を摂ってください。
- ・繊維質のもの(野菜など)は摂りすぎないようにしてください。
- ・刺激物(香辛料、コーヒー、アルコール、炭酸飲料)を控えてください。
治療
治療は・乳酸菌製剤、便の水分バランスを調整する薬、抗不安薬、抗うつ薬
などを組み合わせて行います。

社会不安障害 SAD:Social Anxiety Disorder
プレゼンテーションや会議など大勢の人の前で話すと緊張するといったことは誰でも経験をしたことがあると思います。しかし、不安が大きくなり、日常生活に大きな支障をきたすようになった状態を「社会不安障害」と呼んでいます。
症状
■社会不安障害の人が不安を感じる状況には様々なものがありますが、主に次の4つの状況が多いようです。
- ・大勢の人の前で話す
- ・電話をする
- ・人の前で食事をする
- ・人の前で字を書く
■このような状況において、社会不安障害の人は次のような症状が見られます。
- ・顔が赤くなる、顔が硬直する
- ・汗をかく
- ・めまいがする
- ・手や足がふるえる
- ・心臓がドキドキする(動悸がする)
- ・声がふるえる、声がでない
- ・食事ができない
- ・息苦しくなる
- ・尿が近くなる
- ・胃が気持悪くなる、吐き気がする
治療
ひとりで悩んでいないで、第三者の専門家(心療内科医)に話をして、まずは自分の気持を吐き出し、必要に応じてお薬を服用しましょう。
<社会不安障害に効くお薬>抗うつ薬、抗不安薬
<社会不安障害に効くお薬>抗うつ薬、抗不安薬

